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ECサイトの売上を左右する要素のひとつが、決済方法の選定です。

また、EC市場は拡大を続けており、決済手段の利用傾向も年々変化しています。従来はクレジットカードが圧倒的なシェアを占めていましたが、近年はQRコード決済やポイント決済への分散が進んでおり、「クレジットカードさえあれば十分」という時代ではなくなりました。

そこで本記事では、ECサイトの決済方法を検討している方に向けて、14種類の決済手段の特徴から、自社に合った選び方、主要な決済代行サービス12社までを体系的に解説します。

EC決済とは?わかりやすく解説

EC決済とは、オンラインショップで商品やサービスを購入する際に使われる支払い方法の総称です。
実店舗であれば現金やカードをその場で受け渡しできますが、オンライン取引では物理的なやり取りができません。
そのため、クレジットカードや銀行振込、後払いなど多様な決済方法が発達してきました。

EC事業において、決済は売上の根幹を担う重要機能です。SBペイメントサービスの調査によると、希望する決済手段がない場合に「そのサイトでの購入をやめる」と回答したユーザーは55.7%にのぼりました。決済方法の選定ミスは、半数以上の潜在顧客を逃すリスクに直結します。

また、同調査では、決済手段の利用傾向にも変化が見られました。従来はクレジットカードが圧倒的なシェアを占めていましたが、2024年時点ではQRコード決済やポイント決済への分散傾向が顕著です。

一方で、決済方法によって運用負荷は大きく異なります。銀行振込であれば1件あたり3〜5分程度の入金確認・消込作業が発生し、代金引換であれば受取拒否時の返送対応が必要です。

売上を最大化しつつ運用コストを抑えるためには、自社の商材や顧客層に合った決済方法を戦略的に選定しなければなりません。

出典:SBペイメントサービス「【2024年度版】5回目となる決済手段のEC利用実態調査結果を公開」

ECサイトで使われる主な決済方法

ECサイトで利用される決済方法は多岐にわたります。
主要な14種類の決済手段について、それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説します。

決済方法 特徴
クレジットカード決済 利用率最多。まず導入すべき決済手段
QRコード決済 若年層に人気。PayPayは決済手段2位
後払い決済 カード未所持層の獲得に有効
コンビニ決済 現金派・セキュリティ重視層に対応
Amazon Pay等ID決済 カゴ落ち対策に効果的
銀行振込 BtoB・高額商品向け
代金引換 高齢者層・現金派向け
口座振替 定期購入・サブスク向け
キャリア決済 デジタルコンテンツ向け
デビットカード決済 クレジットカード決済で自動対応
電子マネー決済 少額商品向け
プリペイドカード決済 ギフト需要向け
ポイント決済 リピート促進向け
ギフトカード決済 贈答需要向け

まずは、クレジットカード決済、QRコード決済を導入し、顧客の声やアクセスデータを見ながら段階的に追加していくのが効率的です。

クレジットカード決済

クレジットカード決済は、ECサイトにおいて最も利用率の高い決済手段です。EC事業者にとって導入はほぼ必須といえます。

分割払いやリボ払いに対応しているため、高額商品でも購入ハードルを下げられる点が強みです。ただし、不正利用によるチャージバック(売上取消し)が発生するリスクがあり、3Dセキュア等のセキュリティ対策が欠かせません。

また、近年は利用率が減少傾向にあり、他の決済手段との併用がますます重要になっています。

EC事業者側のメリット

  • 利用率が最も高く、多くの顧客層をカバーできる
  • カード会社が代金を立て替えるため、未払いリスクが低い
  • 即時決済が完了し、入金確認を待たずに発送作業へ移れる

EC事業者側のデメリット

  • チャージバック発生時は売上取消しと商品未回収の二重損失になる
  • 決済手数料(目安:3〜5%)が発生し、薄利多売商材では利益を圧迫する
  • 3Dセキュア2.0対応など、セキュリティ対応のコストがかかる

顧客側の視点

ポイント還元や分割払いが利用でき、利用明細で購入履歴を一元管理できます。
一方、カード情報漏洩への不安や、分割払い手数料による総支払額増加がデメリットです。

デビットカード決済

デビットカード決済は、銀行口座から即時引き落としされる決済手段です。
審査不要で15歳以上なら発行できるカードも多く、クレジットカードを持てない若年層に対応できます。

国際ブランド(Visa・Mastercard等)付きデビットカードであれば、クレジットカード決済の仕組みをそのまま利用できるため、EC事業者側の追加対応は不要です。

EC事業者側のメリット

  • クレジットカードを持てない層の購入機会を獲得できる
  • 即時引き落としのため、代金未回収リスクがない
  • 国際ブランド付きならクレジットカード決済で自動対応

EC事業者側のデメリット

  • 口座残高不足による決済エラーが発生しやすい
  • クレジットカードに比べて利用者数が限定的
  • 一部カードはオンライン決済に非対応

顧客側の視点

口座残高の範囲内でしか使えないため使いすぎを防止できます。
ただし、残高不足時は決済できず、分割払いにも非対応です。

プリペイドカード決済

プリペイドカード決済は、事前にチャージした金額の範囲内で利用できる決済手段です。
審査不要で誰でも購入・発行できるため、未成年やクレジットカード未所持層に対応できます。

ギフト用途での購入需要もあり、贈答シーズンの販促施策に活用可能です。

EC事業者側のメリット

  • クレジットカードを持てない層の購入機会を獲得できる
  • 事前チャージ式のため、代金未回収リスクがない
  • ギフト需要を取り込め、新規顧客獲得につながる

EC事業者側のデメリット

  • チャージ残高不足による決済エラーが発生しやすい
  • 不正取得カードの悪用対策が必要
  • 利用者数が限定的で、導入優先度は低め

顧客側の視点

使いすぎ防止とセキュリティ面での安心感がメリットです。
一方、事前チャージの手間や残高が端数で残りやすい点がデメリットになります。

QRコード決済

QRコード決済は、近年最も成長している決済手段です。
PayPayが決済手段として2位に浮上しており、10代・20代前半ではクレジットカードを上回る人気を獲得しています。

各社のポイント還元キャンペーンが購買意欲を刺激し、スマホアプリで決済が完結するため入力の手間が少なくカゴ落ち抑制にも貢献します。

EC事業者側のメリット

  • 10代・20代を中心に利用者が急増しており、新規顧客獲得につながる
  • 実店舗とECの両方でポイント一元化ができ、顧客囲い込みに有効
  • カード番号入力が不要でスマホ完結のため、カゴ落ち率低減が期待できる

EC事業者側のデメリット

  • サービスごとに個別契約が必要な場合があり、管理が煩雑になる
  • ポイント還元キャンペーン終了後は利用率低下の可能性がある
  • 決済手数料の有料化・値上げリスクがある

顧客側の視点

ポイント還元率の高さと入力の手軽さがメリットです。
アプリ導入の手間やスマホ依存(電池切れ・通信障害)がデメリットになります。

電子マネー決済

電子マネー決済は、Suicaなどの交通系ICカードやnanaco、WAONといった流通系電子マネーを利用した決済手段です。

交通系ICカードはシニア層から学生まで幅広い年代に浸透しており、少額決済との相性が良いためついで買いを促進できます。

EC事業者側のメリット

  • 幅広い年代に浸透しており、シニア層や学生の購入機会を獲得できる
  • 少額決済との相性が良く、ついで買いで客単価向上につながる
  • 事前チャージ式のため、未回収リスクがない

EC事業者側のデメリット

  • チャージ上限額(2〜5万円程度)があり、高額商品には不向き
  • EC向け電子マネー決済は対応サービスが限られ、導入ハードルが高い
  • 電子マネーの種類が多く、選定が難しい

顧客側の視点

使い慣れた交通系ICでそのまま決済でき、新たな登録が不要です。
高額商品には上限額の制約があり、他決済との併用が必要になります。

コンビニ決済

コンビニ決済は、全国のコンビニエンスストアで代金を支払う決済手段です。
クレジットカードを持たない層やオンライン決済に不安を感じる層に対応でき、24時間支払い可能なため銀行営業時間の制約を受けません。

EC事業者側のメリット

  • クレジットカード未所持層やオンライン決済に不安な層を取り込める
  • 前払い方式なら入金確認後に発送するため、代金未回収リスクを回避できる
  • チャージバックが発生せず、不正利用による損失リスクがない

EC事業者側のデメリット

  • 支払い期限内に入金がないとキャンセルとなり、在庫確保のロスが発生する
  • 入金確認後の発送となるため、即日発送ができない
  • 払込票の発行費用が別途発生する場合がある

顧客側の視点

現金で支払え、カード情報入力が不要なためセキュリティ面で安心です。
コンビニへ出向く手間や、支払い期限超過によるキャンセルがデメリットになります。

銀行振込

銀行振込は、BtoB取引や高額商品の購入など、法人・個人問わず根強いニーズがある決済方法です。
決済手数料が発生しない(振込手数料は顧客負担の場合)ため、コストを抑えたい事業者には魅力的な選択肢です。

ただし、入金の消込作業を手動で行う必要があります。月間100件の注文があれば、1件あたり3〜5分として5〜8時間程度の作業負荷が発生する計算です。

EC事業者側のメリット

  • 決済手数料が発生せず、コストを抑えられる
  • BtoB取引や高額商品など、他決済では対応しにくい取引に対応できる
  • 前払い方式なら代金未回収リスクを回避できる

EC事業者側のデメリット

  • 入金確認と消込作業を手動で行う必要があり、運用負荷が大きい
  • 振込名義と注文者名が異なる場合、照合に時間がかかる
  • 入金確認に時間がかかり、顧客満足度が下がりやすい

顧客側の視点

カード情報入力が不要でセキュリティ面で安心です。
振込手数料(数百円)の負担や、商品到着までの日数が長くなる点がデメリットになります。

代金引換

代金引換は、商品配達時に配送業者が代金を回収する決済手段です。
商品が届いてから支払うため、初めて利用するECサイトでも購入者の安心感が高く、現金での支払いを好む高齢者層に一定の需要があります。

コロナ禍以降は対面受け渡しを避ける傾向から利用率は減少傾向ですが、完全廃止は難しい決済手段です。

EC事業者側のメリット

  • 商品と引き換えに代金を回収でき、確実に売上を回収できる
  • クレジットカードを持たない高齢者層など幅広い顧客に対応できる
  • 入金確認を待たずに発送でき、リードタイムを短縮できる

EC事業者側のデメリット

  • 受取拒否が発生すると、往復送料負担と在庫戻し処理の手間が発生する
  • 不在による再配達が続くと配送コストが増加する
  • 代引き手数料(目安:300〜500円/件)が他決済より高め

顧客側の視点

商品確認後に支払えるため安心感があり、クレジットカード不要です。
代引き手数料の負担や、現金準備・在宅の必要がある点がデメリットになります。

後払い決済

後払い決済は、商品到着後にコンビニや銀行で代金を支払う決済手段です。
クレジットカードを持たない10代・20代や主婦層を中心に需要が急速に拡大しています。

ネットプロテクションズやキャッチボールなどの代行会社が与信審査と代金回収を行うため、未回収リスクを事業者から移転できる点が大きなメリットです。

EC事業者側のメリット

  • 代行会社が与信審査と代金回収を行い、未回収リスクをゼロにできる
  • クレジットカード未所持層の購入機会を獲得でき、売上増加につながる
  • 商品到着後の支払いで購入ハードルが下がり、初回CVR改善が期待できる

EC事業者側のデメリット

  • 決済手数料がクレジットカードより高め(目安:4〜5%)
  • 与信審査に通らない顧客がおり、全注文が成立するわけではない
  • 請求書の同梱など、運用面での追加作業が発生する場合がある

顧客側の視点

商品確認後に支払えるため安心して購入でき、カード情報入力も不要です。
支払い期限超過による延滞手数料や、与信審査落ちがデメリットになります。

口座振替

口座振替は、顧客の銀行口座から自動的に代金を引き落とす決済手段です。
毎月の定期購入やサブスクリプションサービスとの相性が非常に良く、一度登録すれば毎回の支払い手続きが不要になるため継続率向上に寄与します。

クレジットカードの有効期限切れによる決済失敗が発生しない点も、定期購入ビジネスにとって大きなメリットです。

EC事業者側のメリット

  • 毎月自動で引き落としされ、継続課金の回収が確実になる
  • 解約手続きに手間がかかるため、解約抑止効果がありLTV向上につながる
  • カード有効期限切れによる決済失敗がなく、継続率を維持できる

EC事業者側のデメリット

  • 初回の口座登録に書類のやり取りが必要で、導入ハードルが高い
  • 登録完了まで数週間かかる場合があり、初回購入のスピード感が損なわれる
  • 残高不足時の督促対応が発生する

顧客側の視点

自動引き落としで支払い忘れがなく、クレジットカード不要で定期購入を利用できます。
口座登録の手続きに手間がかかり、解約もすぐにできない点がデメリットです。

キャリア決済

キャリア決済は、携帯電話料金と合算して支払える決済手段です。
クレジットカード不要で利用できるため、10代・20代前半の若年層に人気があります。

音楽・動画・ゲーム等のデジタルコンテンツ販売との相性が特に良い決済手段です。

EC事業者側のメリット

  • クレジットカードを持たない10代・20代前半の購入機会を獲得できる
  • 携帯キャリアが代金を回収するため、未回収リスクがない
  • デジタルコンテンツや月額課金サービスとの相性が良く、CVR向上が期待できる

EC事業者側のデメリット

  • 決済手数料がクレジットカードより高め(目安:6〜10%)
  • 月額上限額(数万円〜10万円程度)があり、高額商品には不向き
  • キャリアごとに個別対応が必要な場合があり、導入の手間がかかる

顧客側の視点

携帯電話さえあれば決済ができ、カード情報入力が不要です。
月額上限額の制約や、携帯料金と合算されるため使いすぎに気づきにくい点がデメリットになります。

PayPalなどのオンライン決済サービス

PayPalやAmazon Payなどのオンライン決済サービスは、既存アカウントの情報を活用してワンクリック購入を実現する決済手段です。
クレジットカード情報をECサイトに直接渡さないため、セキュリティを重視する顧客に支持されています。

Amazon Payは住所やカード情報の入力も省略でき、導入ECサイトではCVRが平均10〜15%改善したという事例もあります。

EC事業者側のメリット

  • Amazon等の会員情報を活用し、住所入力を省略できるためカゴ落ち率を大幅に改善できる
  • カード情報を自社で保持しないため、情報漏洩リスクとPCI DSS対応負荷を軽減できる
  • PayPalは海外認知度が高く、越境ECで海外顧客を獲得しやすい

EC事業者側のデメリット

  • 決済手数料がクレジットカード直接決済より高めに設定されている場合がある
  • 各サービスのアカウントを持っていない顧客には利用してもらえない
  • サービス提供元の規約変更や手数料改定の影響を受ける

顧客側の視点

登録済み情報を使えるため入力の手間が省け、セキュリティ面でも安心です。
アカウント未所持の場合は新規登録が必要で、アカウント乗っ取り時の被害リスクがあります。

ポイント決済(自社ポイント・共通ポイント)

ポイント決済は、楽天ポイントやdポイントなどの共通ポイント、または自社発行のポイントをEC決済に利用する手段です。
貯まったポイントを消化する目的で追加購入が発生しやすく、客単価向上に寄与します。

EC事業者側のメリット

  • ポイント消化目的での購入を誘発でき、客単価向上や追加購入につなげられる
  • 共通ポイント対応により、ポイント経済圏のユーザーを取り込める
  • 自社ポイントは顧客囲い込み効果が高く、リピート率向上に貢献する

EC事業者側のデメリット

  • 自社ポイントの場合はポイント原資の負担が発生する
  • ポイント有効期限の管理や失効処理など、システム対応が必要
  • 共通ポイントの場合は手数料が発生する

顧客側の視点

ポイントを現金代わりに使え、実質的な割引として活用できます。
ポイントの有効期限や、分散して貯まると管理が煩雑になる点がデメリットです。

ギフトカード決済

ギフトカード決済は、Amazonギフトカードや自社発行のギフトカードを利用した決済手段です。
プレゼント需要を取り込むことができ、お中元・お歳暮・クリスマスなど贈答シーズンの売上増加に貢献します。

EC事業者側のメリット

  • ギフト需要を取り込め、新規顧客獲得や贈答シーズンの売上増加に貢献する
  • 自社発行の場合は前受金として資金を先に確保でき、キャッシュフローが改善する
  • ギフトカードを受け取った人が新規顧客になる可能性がある

EC事業者側のデメリット

  • 不正取得されたギフトカードの悪用対策が必要
  • 自社発行の場合はカード発行・管理のシステム構築コストが発生する
  • 未使用残高は負債として計上する必要があり、会計処理が複雑になる

顧客側の視点

プレゼントとして贈りやすく、カード情報入力も不要です。
残高が端数で残りやすい点や、利用サイトが限定される点がデメリットになります。

自社に合うEC決済の選び方

自社に合うEC決済の選び方

ここまで紹介した14種類の決済方法を、すべて導入する必要はありません。
決済方法を増やすほど運用コストは増大し、顧客情報を扱う接点が増えることで情報漏洩リスクも高まります。

以下の5つの視点から自社に最適な決済方法を選定し、まずは3〜4種類を導入しましょう。

視点

確認すべきポイント

①顧客層

ターゲットの年齢層・カード所持率・支払い習慣

②商材特性

単価・リピート率・返品率・デジタルか物販か

③購入体験

スマホ比率・入力項目数・決済エラー率

④運用体制

消込作業の可否・返金対応・問い合わせ体制

⑤不正対策

3Dセキュア対応・不正検知サービスの必要性

これらのポイントについて、ここから解説します。

顧客層から考える(年齢層・支払い習慣・初回購入率)

決済方法の選定において最も重要なのは、自社のターゲット顧客が「どの決済手段を好むか」を把握することです。

年齢層によって決済の好みは大きく異なります。10代・20代前半ではPayPayの利用率が高く、QRコード決済の導入が有効です。一方、60代以上のシニア層はコンビニ決済や代金引換に安心感を持つ傾向があります。

クレジットカードを持っていない層(学生・主婦など)をターゲットにする場合は、後払い決済やキャリア決済の導入を検討しましょう。

初めてサイトを訪れるユーザーには、Amazon PayなどのID決済を優先表示すると初回購入のハードルを下げられます。

商材特性から考える(単価・リピート・返品率)

販売する商材の特性によっても、最適な決済方法は変わります。以下に商材タイプと推奨される決済方法をまとめました。

商材タイプ

推奨決済

理由

高額商品(10万円超)

クレジットカード

分割払い対応が必須

定期購入・サブスク

クレジットカード、口座振替

継続課金の安定性

返品率が高い商材

クレジットカード

後払いはキャンセル処理が煩雑

デジタルコンテンツ

キャリア決済

若年層との相性が良い

少額商品(1,000円未満)

電子マネー、QRコード

手軽さ重視

定期購入やサブスクモデルを展開する場合は、クレジットカードや口座振替で継続率を維持しやすくなります。
口座振替はカードの有効期限切れによる決済失敗が発生しないため、長期継続を前提としたビジネスに適しています。

購入体験から考える(スマホUI・入力負荷・エラー率)

スマートフォンからのEC購入比率は年々上昇しています。自社ECサイトのスマホ比率が高い場合は、QRコード決済やID決済の優先導入を検討すべきです。

また、決済フローの煩雑さは「カゴ落ち」の主要な原因の一つとも言われており、いかにスムーズに決済できるかは重要なポイントになります。

Amazon PayなどのID決済は、会員情報や住所の入力を省略できるためカゴ落ち防止に効果的です。導入ECサイトではCVRが10〜15%改善した事例もあり、スマホでの長いフォーム入力がユーザーにストレスを与えている場合は優先度が高い施策といえます。

運用体制から考える(消込・返金・問い合わせ対応)

決済方法によって、導入後の運用負荷は大きく異なります。自社の人員体制を踏まえて、無理のない決済方法を選びましょう。

決済方法

運用負荷 主な作業内容
銀行振込 入金確認・消込作業(1件3〜5分)
代金引換 中〜高 受取拒否対応・返送処理
コンビニ決済 未入金キャンセル対応
クレジットカード チャージバック対応(発生時のみ)
後払い決済 請求書同梱(代行会社による)

決済代行サービスを利用して複数の決済手段を一括導入すれば、管理画面を統合して運用を効率化できます。
決済完了画面に注文番号や問い合わせ先を明示することで、「決済できたか不安」という問い合わせ件数も削減可能です。

不正対策の要件から考える(本人認証・不正検知)

クレジットカード決済を導入する場合、不正対策は避けて通れません。
経済産業省のガイドラインにより、3Dセキュア2.0は2025年3月末までに原則として全てのEC加盟店への導入が義務化されました。

3Dセキュア未導入の状態で不正利用が発生すると、チャージバック(売上取消し)は全額事業者負担となります。商品はすでに発送済みのため、売上取消しと商品未回収の二重損失が発生するリスクがあります。

さらに、3Dセキュアに加えてAI不正検知サービス(O-PLUX、ASUKA等)を組み合わせると、不正検知の精度が向上します。高額商品を扱う場合や、過去に不正利用被害がある場合は導入を検討しましょう。

EC決済の導入で失敗しないコツ

EC決済の導入で失敗しないコツ

EC決済を導入する際は、手数料の料率だけでなく入金サイクルや審査期間、セキュリティ対応なども含めて総合的に比較することが重要です。

以下は、EC決済導入のポイントです。

  • 導入前に契約条件を確認する
  • 複数の決済サービスを併用する
  • 決済失敗を減らす導線を作る

運用開始後に決済サービスを変更するのは顧客への影響も大きく手間がかかるため、導入前の検証を十分に行いましょう。

導入前に契約条件を確認する

決済サービスを選定する際は、決済手数料の料率だけでなく総コストを把握することが重要です。
契約時には、最低限以下の条件を確認しておきましょう。

  • 初期費用・月額固定費・トランザクション手数料の合計
  • 入金サイクル(月末締め翌月末払いの場合、売上から入金まで最大60日)
  • 最低利用期間の縛り・中途解約時の違約金
  • PCI DSS準拠・3Dセキュア対応などのセキュリティ基準

特に入金サイクルは見落としがちなポイントです。資金繰りに大きく影響するため、必ず確認しておきましょう。

複数の決済サービスを併用する

1社の決済代行のみに依存していると、システム障害発生時に全ての売上が止まるリスクがあります。リスク分散とCVR最大化の観点から、異なる決済種別を複数の代行会社で導入することを検討しましょう。

以下は、決済サービスを併用するメリットです。

  • システム障害時のリスク分散:1社で障害が発生しても他社の決済手段で継続できる
  • CVRの最大化:ターゲット顧客層ごとに最適な決済手段を用意できる
  • 得意分野の使い分け:決済代行会社ごとに強みのある決済種別を選べる

【重要】同一決済種別の並行利用は不可

「NP後払いとGMO後払いを同時に導入する」といった同じ決済種別での複数代行会社の併用は、ほとんどの通販システムで対応していません。
通販システム側の仕様上、同一決済種別に複数の代行会社を接続できないためです。

併用を検討する場合は、「クレジットカード決済はA社、後払い決済はB社、QRコード決済はC社」のように異なる決済種別ごとに代行会社を分ける形で計画を立てましょう。

決済失敗を減らす導線を作る

決済エラーによる離脱は、売上機会の損失に直結します。エラー発生時のリカバリ導線を整備しておくことが重要です。

具体的な施策として、以下が挙げられます。

  • 決済エラー発生時に別の決済手段へ誘導する導線を用意する
  • 定期購入ではカード有効期限切れの1か月前に事前通知メールを送る
  • 住所やカード番号の入力フォームに自動補完機能を実装する
  • 決済失敗時はエラー理由を具体的に明示し、対処方法を案内する

特に定期購入ビジネスでは、カードの有効期限切れによる決済失敗が継続率低下の大きな要因となります。

EC決済代行サービスおすすめ13選

決済代行サービスを利用すれば、一括契約で複数の決済手段を導入でき、各決済会社との個別契約や審査の手間を大幅に削減できます。

以下に、導入実績が豊富な主要13社を紹介します。

サービス名 主な対応決済 特徴
atone 後払い 携帯番号とメールアドレスのみで利用可能
NP後払い 後払い 導入店舗数20.3万店舗以上(2023年3月時点)
クロネコ代金後払いサービス 後払い 代金未回収リスク保証型、最短5日入金
GMO後払い 後払い リアルタイム与信対応
後払い.com 後払い 導入実績30,000店舗以上、リアルタイム与信対応
GMOペイメントゲートウェイ 総合(30種類以上) 国内・国外あわせて30以上の決済手段
ZEUS 総合 国内14,000サイト以上導入、24時間365日有人サポート
Amazon Pay ⅠD決済 初期費用・月額費用無料、決済手数料3.9%
ルミーズ 総合 EC・実店舗・電話/FAX注文対応、多言語対応
KOMOJU 総合 初期・月額費用無料、日本・韓国・中国等に対応
SBペイメントサービス 総合(40ブランド以上) ソフトバンクグループ、PayPay連携
VeriTrans4G 総合(30種類以上) 取扱高7.5兆円、越境EC対応
Stripe 総合(125種類以上) 47カ国以上対応、初期・月額費用無料、手数料3.6%

※手数料・入金サイクルは契約条件や取扱高により異なります。詳細は各社公式サイトでご確認ください。

複数の決済代行を併用する必要性

以下の理由により、EC決済の選定においては複数の決済代行サービスを組み合わせることが有効です。

  • 1社の決済代行のみに依存していると、システム障害時に全ての決済が停止するリスクがある
  • 顧客層や商材の特性に応じて、強みを持つ決済代行を使い分けることで最適化できる
  • 決済代行会社ごとに得意な業種や商材が異なるため、自社に合った組み合わせを選ぶことが重要

ただし、前述のとおり同一決済種別での複数代行会社の併用(例:NP後払いとGMO後払いの同時導入)は、通販システムの仕様上ほとんど対応していません。

併用を検討する際は「異なる決済種別ごとに代行会社を分ける」という前提で計画を立て、利用中の通販システムの対応状況を必ず確認しておきましょう。

また、自社に最適な決済の組み合わせがわからない場合は、EC運営の専門家への相談がおすすめです。

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