普段ECサイトを運営していると、このような課題が出てくると思います。
「売上が伸び悩んできた。」
「使用しているECカートが古く動作が重たい。」
「集客や売上を上げるための最新機能が欲しい。」
そのような時に、ECサイトのリニューアルを検討するかと思います。
リニューアルは売上や利益を大きく伸ばすチャンスですが、同時に費用や時間もかかるため失敗すると逆に損失を招く可能性もあります。
そこで、ECサイトのリニューアルを成功させるための手順やポイント、注意すべき点について、ECサイトのリニューアルを検討する方のために詳しく解説していきます。
ecサイトをリニューアルする4つの必要性
普段ECサイトを運営しているとECシステムが使用しづらかったり、最新の機能が搭載されていないせいでやりたい施策ができなかったりと、リニューアルの必要性を感じることがあります。
しかし、ECサイトのリニューアルには時間や費用がかかるので、なかなか踏み切れないという方も多いのではないでしょうか。
とはいえリニューアルをしないままずっと運営していると、システムの老朽化により最新機能が使用できなかったり、システムの動作が重たくなったりと、中長期的な売上や利益に大きな損失を招く可能性があります。
そこで、まずはECサイトをリニューアルする必要性について下記4つの観点から解説します。
- 最新の機能を使うことができる
- 運用コストの見直しができる
- 業務コストが削減できる
- ECサイトのUI/UXを改善できる
順に解説していきます。
最新の機能を使うことができる
ECカートシステムは、日々進化しています。
ユーザーのニーズや行動に応えるために、新しい機能やサービスがどんどん登場しています。
例えば、以下のような機能があります。
- 機械学習を活用したレコメンド機能
- AI活用のチャットボット機能
- SNSとのショッピング連携機能
これらの機能は、ユーザーの購買意欲や満足度を高めるだけでなく、競合他社との差別化にもつながります。
しかし、古いシステムを長年使用しているとシステムがバージョンアップせずにシステムに機能が追加されず、徐々に陳腐化します。
その結果ユーザーの期待に応える施策が打てず、購入数の減少や満足度低下につながる恐れがあります。
よって、最新のEC機能を使ってさまざまな施策を実行するためには、ECサイトのリニューアルをする必要があります。
運用コストの見直しができる
ECサイトの運営には、様々な費用がかかります。
例えば、以下のような費用があげられます。
- サーバー費用やドメイン費用などの固定費
- システムの開発や保守などの追加費用
- システムのライセンス費用や外部サービスの利用料
これらのランニングコストは、ECサイトの規模や売上に応じて最適化することが重要ですが、古いECカートシステムを使い続けると、以下のような問題が発生する可能性があります。
- 必要な機能を追加するたびに開発コストがかかる
- 少しのデザイン改修でも外部に依頼が必要となり、都度改修コストがかかる
これらの問題は、ECシステムをリニューアルすることで、運用コストの見直しをすることができます。
例えば、ecサイトをリニューアルすることで以下のようなことがあります。
- ランニングコストを安くでき、かつ機能が豊富なシステムに移行できた
- 業務の自動化機能が搭載されたシステムに移行することで運用コストを削減できた
- ノーコードでのサイト改修ができるようになった
上記のようにリニューアルすることで、運用コストの最適化を図ることができます。
業務コストが削減できる
ECカートシステムに搭載されている機能によって、普段の業務をどれだけ効率化できるかが大きく変わってきます。
EC運営には以下のような日次業務があります。
- 商品の登録や更新などの商品管理
- 注文の確認や発送などの受注管理
- 顧客情報や履歴などの顧客管理
- メールや電話などの問い合わせ対応
これらのバックエンド業務は、EC事業において重要な業務ですがかなりの時間を取られることが多く、古いシステムを使い続けると以下のような問題が発生する可能性があります。
- 商品管理が煩雑になり、登録や更新に時間がかかる
- 毎日の受発注業務や、注文ステータスの変更を1つ1つ手動で行っている
- 在庫管理が不十分になり、在庫切れや過剰在庫が発生する
これらの課題もECサイトをリニューアルすることで、下記のようなことができるようになり業務コストを削減することができます。
- 商品管理において、CSVやAPIなどを活用して、一括登録や自動更新を行える
- 受注管理において、配送業者や決済代行などと連携して自動確認や発送を行える
- 在庫管理において、在庫の自動計算や発注などを行える
ECサイトのUI/UXを改善できる
ECサイトのUI/UX(※)を改善することは、ユーザーの満足度や売上に大きく影響するため非常に重要ですが、ECシステムが古いと、デザインの大幅なリニューアルが難しい場合は多々あります。
例えば、昨今ECサイトのスマホ対応は必須ですが、いまだにスマホ対応ができておらず、UIを改善できていないサイトは多くあります。
上記のような課題もレスポンシブ対応しているECシステムにリニューアルすることで、UI/UXの最適化を図ることができます。
※UI/UX:UI(ユーザーインターフェイス)とは、ユーザーが直接操作するすべての要素を含んだインターフェースのことを指します。UX(ユーザーエクスペリエンス)とは、製品の使いやすさ、効率性、便利さなどユーザーが製品やサービスを使用する際の全体的な体験を指します。
ecサイトのリニューアルを検討するタイミングとは?
ECサイトのリニューアルの重要性について解説しましたが、ではいったいどのようなタイミングをきっかけにECサイトのリニューアルを検討し始めればいいのでしょうか。
ここからはリニューアルを検討するタイミングを6つ紹介します。
- システムの老朽化
- 機能の不足
- セキュリティ上の事故
- 日次業務のコスト増大
- レスポンシブ対応していない
- UI/UXが悪くCVRが悪化
順に説明していきます。
システムの老朽化
新しい機能の追加や連携可能サービスの拡張など、ECの売上増加や日々のEC運営の効率化のため、ECカートシステムは日々進化しています。
ただオープンソース型やスクラッチ型などでオリジナルのECサイトを構築し10年以上経過していると、システム基盤がバージョンアップしないことが理由で老朽化することがあります。
今使用しているシステムが老朽化しているかどうか確かめるため、下記にチェックポイントを記載します。
- システムの読み込み速度が遅く、動作が重たい
- メール配信やポイント付与といった基本的な機能も使用できない
- 受注情報などのデータ出力ができない
- 機能のアップデートに都度改修コストが発生している
- SP専用ページが作れない
例えばスクラッチで構築して10年以上経っている場合は、「最新の機能が使えていない」や「管理画面側の処理速度や読み込み速度が遅い」といった課題が生じやすいでしょう。
また、システムの老朽化は、ECサイトのパフォーマンスやセキュリティにも影響します。
サイトの速度が遅くなると、ユーザーの離脱率が上がり、セキュリティの脆弱性があると、ハッキングや情報漏洩のリスクが高まります。
長年ECシステムを利用しており、機能面やインフラ面に何かしらの課題が生じることが多くなってきた場合はリニューアルを検討するタイミングになります。
また、パフォーマンスやセキュリティ事故の問題を未然に防ぐためにも、システムの更新や刷新が必要です。
機能の不足
ECカートシステムには、様々な機能が搭載されています。
例えば、以下のような機能があります。
- クーポン・ポイント機能
- 売上分析機能
- SEO管理機能
これらの機能は、ECシステムの基本的な機能ですが、これらの機能だけではECサイトの売上や利益を最大化することはできません。
売上規模や販売形態(食品EC、定期通販など)に応じて、必要な機能は異なるため、
自社の販売形態や事業規模に必要な機能が搭載されておらず、それが原因で運営上課題を感じている場合はリニューアルを検討するタイミングです。
例えば、食品ECであれば、選べる定期便といった「頒布会機能」、定期通販であれば定期購入機能やフォーム一体型LP機能などが必要です。
また、実店舗とECサイトを運営されている企業には、実店舗とのデータ統合や在庫連携機能などもあればより効率的にECを運営することができます。
現状の自社の課題や形態に合わせて、機能が利用できるかどうかを確認しましょう。
セキュリティ上の事故
EC運営では、セキュリティ上の事故にも注意しなければなりません。
「クレジットカード情報の漏洩」や「いたずら注文の増加」など、セキュリティ上の問題は、ユーザーの信頼や満足度を大きく損なうだけでなく、法的な責任や損害賠償などのリスクもあります。
そのため、セキュリティ事故が起きる前に下記のような対策をしておきましょう。
- 本人認証の導入
- 解読されづらいパスワード設定の要求
- いたずら注文に関する警告文をサイトに掲載
万が一、セキュリティ上の事故が生じた際は、早急にセキュリティ基盤が強固なECシステムにリニューアルする必要があります。
もし、セキュリティ上の事故が自社で起こった場合や、同業他社でセキュリティ事故が生じた場合は、セキュリティが強いシステムに変えることを検討しましょう。
日次業務のコスト増大
ECサイトの運営には、日々の受注処理や問い合わせの対応などの日次業務が欠かせません。
しかし、売上が増加し毎日の業務量が増えている中、システムに効率化を図れる機能が当初から不足している場合は、リニューアルの検討に該当します。
例えば、以下のような自動化/半自動化機能があれば日次業務のコストを削減することができます。
- 受注管理機能:受注データのダウンロードや発送連携、キャンセルなどの一括処理機能
- 在庫管理機能:在庫数の自動反映や在庫切れ通知、発注管理などの機能
- 顧客管理機能:顧客データの一括ダウンロードやセグメント分析、メール配信などの機能
事業拡大に伴い、手作業での入力や確認数が増えたことで、販促にかける時間が減ったり、人件費やミスが増えることはEC運営においてよくある悩みです。
自社でもこのような悩みを抱き始めた場合はリニューアルを検討しましょう。
レスポンシブ対応していない
レスポンシブ対応とは、サイトのデザインやレイアウトを、ユーザーがアクセスするデバイス(PCやスマホなど)に合わせて自動的に調整することです。
レスポンシブ対応することで、ユーザーの利便性や満足度を高め、デバイスごとに異なるサイトを作成や管理する必要がありません。
また、レスポンシブ対応は今やECサイトにとって必須の要件といえます。
現在ではEC業界全体でスマホ経由の流入や購買がPC経由を大きく超えているため、SP版に対応していない場合は早急にリニューアルを検討しましょう。
UI/UXが悪くCVRが悪化
サイトの色や画像などのデザインや、カテゴリ、検索機能といったナビゲーション、商品説明やレビューの表示場所などこれらの要素はUI/UXに大きく影響します。
よって、ユーザーのサイト滞在時間や再訪問率、コンバージョン率(CVR)が悪化し、使いづらいサイト設計になっている場合、改善したくても自由にデザイン改修ができない場合はリニューアルすることを検討しましょう。
ecサイトリニューアルの手順を紹介
ECサイトのリニューアルを検討するタイミングはさまざまありましたが、いざ、リニューアルすることを決めた場合、ECサイトのリニューアルに向けて実際に何をすればいいのでしょうか。
ここからは、ECサイトのリニューアルはどのような手順で着手するのか、順を追って解説します。
①リニューアルを行う目的/費用/ゴールを整理する
まずは、リニューアルを行う目的を明確にしましょう。
リニューアルによってどのような課題を解決し、どのような成果を得たいのかを具体的に定めます。
また、リニューアルする目的を整理する際は、下記3つの観点から考えましょう。
- 直近で起こっている解決したい課題
- 中長期的に実現したい事業構想
- 目指す事業規模
詳細は次の「リニューアルを成功させるポイント」で解説します。
そして目的を定めた後、次にリニューアルにかける費用を決めましょう。
費用は、初期費用と月額費用に分けて考えます。
初期費用では、ECシステムの初期費用やECサイトのデザインの制作費用や、データ移行費などがかかります。
月額費用ではシステムの利用費用やサーバー、ドメインの維持費用などがかかります。
費用は、利用するシステムや内容によって大きく変わりますが、一般的には、以下のような目安があります。
(ⅰ)ASP型ECカートシステム利用の場合
初期費用:3万円~100万円
月額費用:1万円~10万円
(ⅱ)パッケージ型ECカートシステム利用の場合
初期費用:50万円~500万円
月額費用:5万円~20万円
(ⅲ)スクラッチ型ECカートシステム利用の場合
初期費用:300万円~1,000万円
月額費用:5万円~20万円
上記を参考にして予算の下限と上限をあらかじめ設定しておきましょう。
そして費用を決めたら、最後にリニューアルのゴールを設定しましょう。
ゴールとは、リニューアルによって達成したい数値的な目標です。
リニューアルオープン予定日や、リニューアル後の売上や利益の目標額はあらかじめ決めておきましょう。
②ECカートシステムを選定する
リニューアルの目的や費用やゴールを整理したら、次にECカートシステムを選定しましょう。
また大きく分けて以下の4種類があり、それぞれ簡単に紹介します。
- ASP型:インターネット上にあるサーバーにシステムを提供するタイプ
- パッケージ型:システムを購入して自社のサーバーにインストールするタイプ
- オープンソース型:無料で公開されているシステムを自社のサーバーにインストールするタイプ。カスタマイズ性が高い
- スクラッチ型:自社の要望に合わせてシステムを開発するタイプ。費用や期間がかかる
ASP型 | パッケージ型 | オープンソース型 | スクラッチ型 | |
特徴 | インターネット上にあるサーバーにシステムを提供するタイプ | システムを購入して自社のサーバーにインストールするタイプ | 無料で公開されているシステムを自社のサーバーにインストールするタイプ | 自社の要望に合わせてシステムを開発するタイプ |
メリット | ・費用が安い
・利用中でもシステムが自動でバージョンアップする |
・最初から機能がある程度搭載済み
・独自機能などを追加できる |
・サイト制作などの自由度が高い
・カスタマイズ性が高い |
・自由にECサイトを構築できる |
デメリット | ・機能追加などはできない | ・初期費用が高い | ・セキュリティの脆弱性 | ・保守費用が高くなる |
また、ECカートシステムを選定する際には、以下のようなポイントに注意しましょう。
- 自社の現状の課題や目指す売上規模に合わせて、最適なシステムを選ぶ
- システムの機能や性能、セキュリティ、サポートなどを比較検討する
- システムの導入や運用にかかる費用や期間を比較検討する
- システムの拡張性や更新性を確認する
ECシステムの選定は、リニューアルの成功に大きく影響する重要な工程です。
自社のニーズに合ったシステムを選ぶことで、効率的で効果的なリニューアルができます。
③デザイン制作会社を選定する
ECシステムを選定したら、次にデザイン制作会社を選定しましょう。
自社でデザインやコーディングができる場合は内製で行うことができますが、外注する場合は制作会社を選定する必要があります。
またポイントとしては、利用するECカートシステムでデザイン制作の実績があるかどうかは必ず確認しましょう。
④リリース前の準備を行う
ECシステムとデザイン制作会社を選定したら、最後にリリース前の準備を行いましょう。
リリース前の準備とは、テスト注文やメール送受信など、基本的な日次業務が問題なく実施できるか確認することです。
特に、決済種別ごとにテスト注文は必ず行い、問題なく購入ができるかどうか、また注文完了メールが届くかどうかまで必ず確認しましょう。
今までの工程が順調だったとしてもリリース前の準備を怠り、万が一のトラブルに繋がっては意味がありません。
細心の注意を払って、スムーズにリニューアルできるようにしましょう。
ecサイトリニューアルを成功させる6つのポイント
ECサイトのリニューアルを成功に導くために、以下の6つの重要なポイントがあります。
- リニューアルの目的を明確にする
- 現状のECサイトの課題を洗い出す
- 実現したいことがecシステムで実現できるのか確認する
- 中長期的な事業構想を見据えてシステム選定を行う
- 経営サイドだけでなく現場サイドの意見も聞く
順を追って紹介します。
リニューアルの目的を明確にする
まずはリニューアルの目的を具体的に定めます。
ほとんどの場合は「売上向上」に落ち着くかと思いますが、具体的にいつまでにどれぐらいの事業成長を目指すのか明確にし、それらを達成できるECカートシステムを選定しましょう。
現状のECサイトの課題を洗い出す
現状どのような課題があり、売上アップができていないのか?一度整理して洗い出ししましょう。
また整理する際は、売上を構成する各指標に分けてどこを解決できれば売上が上がるのか明確にしましょう。下記で一部紹介します。
売上=①セッション数×②客単価×③CVR
①セッション数
- SEO設定はできているか?
- SNSと連携して導線を設置できているか?
②客単価
- アップセルはできているか?
- クロスセルはできているか?
- 「2つ以上購入すると10%OFF」といったまとめ買いを促せているか?
③CVR
- 購入しやすいサイト設計になっているか?
- クーポンやポイントは活用できているか?
- 決済手段は後払いやクレジットカード決済やAmazonPayなど豊富に用意しているか?
- レコメンド機能を設定しているか?
- カゴ落ち対策はできているか?
- スマホにも対応しているか?
このように各指標ごとで課題があるかどうか洗い出してみましょう。
また、課題は「売上」に関してだけではなく普段の業務面にもあるはずです。
- 商品登録は一括インポートできず1つ1つ手動で登録している
- 注文ステータスの変更に多くの時間を費やしている
- 複数のECカートシステムを利用しており管理が煩雑になっている
このような業務面での課題もあれば漏れなく洗い出しておきましょう。
実現したいことがecシステムで実現できるのか確認する
ここまで整理した課題を解決し実現したいことがECシステムで叶えられるのか必ずベンダー側に確認しましょう。
課題を解決するためにどのような機能が搭載されているのか?
またその機能は標準で搭載されているのかまで必ず確認しましょう。
中長期的な事業構想を見据えてシステム選定を行う
現状の課題を解決することはもちろん重要なことですが、現在の問題を解決するだけでなく、将来的な成長や拡張を見据えてシステムを選定することも大切です。
中長期的な構想を考慮したシステム選定として、
- 事業が成長した際、それに耐えられるインフラなのか?
- 今後カスタマイズしたいとなった際、可能なのか?
- 今後どのような機能追加や外部サービスとの連携を計画しているのか?
上記のようなことも合わせてベンダーに聞いてみましょう。
経営サイドだけでなく現場サイドの意見も聞く
システムを利用する現場メンバーの声を聞くことも重要です。
利用者の視点からのフィードバックを取り入れることで、実際の使用感や改善すべき点を把握することができます。
また実際にシステムを利用するのは現場メンバーのため、現場メンバーにとって使いやすい仕様なのかどうかは必ず現場メンバーに確認しましょう。
ecサイトリニューアルでよくある失敗例
ここからは実際のEC担当者から聞いたECサイトのリニューアル失敗事例を3つ紹介します。
実現したかったことができない
自社で実現したいことを選定段階で明確にしないまま、ECシステムを選定した結果、導入後にやりたかった施策ができないことに気づいたケースです。
こうならないためにも、必ず選定前に現状の課題と実現したいことを明確にしておきましょう。
追加費用が発生し保守費用に多額の費用がかかってしまう
この事例は、初期費用をなるべく安く抑えるために導入費用が安価なECシステムを導入した結果、価格は安く抑えられたが従量課金や追加機能のオプション費用などで結局ランニングコストが高くなってしまったケースになります。
導入費用を安く抑えることも大事ですが、ある程度の初期費用はかかっても標準機能が豊富で追加費用が極力かからないシステムを設定することをおすすめします。
リニューアルオープンの遅延
ECベンダーと連携がうまくいかず、あらかじめ決めていたオープン日に間に合わず遅延してしまったケースです。
要件定義時に項目ごとにどれくらいの時間を要するのかベンダー側と話しておきましょう。
ecサイトのリニューアルで課題を解決した成功事例
株式会社バルクオム
1つ目は株式会社バルクオムを紹介します。
バルクオムはECサイトのリニューアルにより、リニューアル当時、月間売上が700%UPを実現しています。
リニューアル前では、デザインの自由度が低く、ブランドの世界観をECサイトで表現できずにいました。
また、管理画面の動作も重く、業務に支障をきたしていたり、機能の制限により行いたい施策ができない状態だったため、ECサイトのリニューアルを決意されました。
リニューアル後は、売上向上だけでなく、受注が増えても管理画面が重くならないようになり、業務効率も改善されておりECサイトリニューアルの一例といえます。
株式会社DIGITAL LIFE
2つ目は株式会社DIGITAL LIFEを紹介します。
株式会社DIGITAL LIFEが運営する介護用品を中心に販売するECサイト「SONOSAKI LIFE」はリニューアル後、会員数が約10倍ほどに増えております。
2018年からECサイトを運営されていますが、当時はブログなどのコンテンツを追加する際、全てHTMLで書かないといけない仕様になっていたため制作に多大な工数がかかっていたためリニューアルを決意されました。
リニューアル後は、簡単にコンテンツを追加・更新できるようになり、分析する時間が確保できたおかげで、コンテンツマーケティングに取り組みPV数も急速に増加させることに成功しています。
株式会社コーカス
最後に紹介するのは、株式会社コーカスです。
株式会社コーカスが運営するスキンケア商品を販売する「SuiSavon-首里石鹸-」は、ECサイトリニューアル後、売上3倍向上を実現されています。
リニューアル前に使用していたECカートシステムには分析機能がないことやクーポン・ポイント配布も手動で行ったりと業務効率面で課題があった状態でした。
リニューアル後は、手動で行っていた業務が一部自動化でき、業務工数を削減しつつ売上も向上された事例になります。
このように、ECサイトをリニューアルすることで課題を解決し成果を上げている事例は多くございます。
EC運営上課題を感じられた際はECサイトのリニューアルを検討してみましょう。
まとめ:ECサイトのリニューアルは慎重に進めましょう
以上、ECサイトのリニューアルにおいて解説しました。
ECサイトのリニューアルは、準備段階でどれだけ要件を詰められるかどうかで、成功するかどうかが決まるといっても過言ではありません。
また万が一失敗した場合は、リニューアル時にかかった時間や費用を失うだけでなく、ECの売上低下を招く可能性も往々にしてあります。
ECサイトのリニューアルを少しでも検討し始めた場合は、まずはECベンダーのような専門家に相談し、計画を立てて慎重に進めていきましょう。