ECサイトの構築には ECプラットフォームであるECサイト構築システムを利用します。ECサイト構築システムとは、自社独自のECサイト運営に必要な、カート機能やWebサイト構築機能などが一体となったシステムです。ECサイト構築システムには大きく分けて4つのタイプがあり、ECサイトの規模や必要な機能によって適したシステムが異なります。
ここでは、ECサイト構築システムの種類や違い、構築にかかる費用、構築手順、おすすめの制作会社について、ECサイトの規模別に紹介します。ECサイト構築システムの選定を間違えると、想定外の費用や時間がかかる恐れがありますので、是非この記事を読んでご参考にしてください。
ECサイトの構築方法とは
ECサイトの構築方法には、大きく分けてWordPressなどのCMSの利用と、ECサイト構築システムの利用の2つがあります。
CMSとは高度なプログラミングの知識がなくても、webサイトの制作やコンテンツ編集などができるシステムです。
CMSは、ホームページやブログサイトなどを構築するのには適していますが、そのままではECサイトとしては使えません。ECサイトには、商品をカートに入れて決済や配送手続きを行うカートシステムが必要です。
このカートシステムとWebサイト構築機能が1つになったのがECサイト構築システムになります。
例えば、CMSであるWordPressでは、webサイトを構築することは可能ですが、カート機能や、その他販促機能などを別途追加・もしくは開発する必要があります。
そのため、ECサイトの構築が目的であれば、最初からカート機能や販促機能などEC運営に必要な機能がまとまっているECサイト構築システムの利用をおすすめします。
ECサイト構築前に確認!ECサイトに必要な基本機能
ECサイトに必要な基本機能は次の5つです。
- カート機能
- 受注処理機能
- 決済処理機能
- 在庫管理機能
- 顧客管理機能
それぞれどのような機能か説明していきます。
カート機能
カート機能とは、選択した商品を一時的に保存しておく機能です。カートでは、合計金額や送料を自動計算して表示します。送料が異なる商品や割引の適用などがある場合は、それらも加味して自動計算できなければなりません。ECサイトで最も基本となるフロントエンド機能(集客や売上につながる機能)と言えます。
受注処理機能
受注処理機能は、お客さまが購入した情報を処理する機能です。購入日時、商品、購入者、配送先、決済状況などをデータ化します。受注処理データを基に配送指示などを行うため、バックエンド業務(販売を支える裏側の業務)の軸となる機能と言えるでしょう。
決済処理機能
決済処理機能は、ECサイトの決済を円滑に安全に行うためのシステムです。クレジットカード決済、銀行振込、コンビニ払い、キャリア決済などの決済方法を設置します。
在庫管理機能
在庫管理機能とは、ECサイト内の在庫を管理する機能です。商品に設定された在庫を管理し、「在庫あり」「売り切れ」といった表示を行います。在庫が僅少となった商品を通知する機能などもあります。
顧客管理機能
顧客管理機能は、顧客情報をデータ化して管理する機能です。顧客ごとの販売履歴や対応履歴の履歴関連が確認できます。会員機能などを活用して、会員専用のコンテンツやマーケティング販促を行うのに有効です。
ECサイト構築システムの種類を比較
ECサイト構築システムには大きく分けて下記4つの型があります。
- ASP型
- パッケージ型
- フルスクラッチ型
- オープンソース型
ECサイト構築ではどの型を利用するのかが重要となりますので、ECサイト構築やECシステムを検討している方向けに各種メリット・デメリット含めそれぞれについて解説していきます。
ASP型
ASPとは、「アプリケーションサービスプロバイダ(Application Service Provider)」の略で、クラウド上で利用するソフトウェアのことです。利用者はWeb上の管理画面から、IDとパスワードを入力してシステムを利用します。インターネット環境があればどこからでも利用可能です。
ASP型は基本的にシステムのカスタマイズはできず、サイトデザインもテンプレートを利用して作成します。個別の開発を行わない分、初期費用やランニングコストが低く、月額無料で利用できるサービスもあるのがメリットになる反面、独自の機能カスタマイズができないことはデメリットにもなります。
パッケージ型
パッケージ型は、ECサイトに必要な機能をパッケージ化したシステムで、自社のサーバーにインストールして利用します。パッケージ化されたシステムは個別のカスタマイズができ、自社に合わせた独自機能を追加することも可能です。
個別の開発が可能な分、ASP型に比べると費用は高くなりますが、ECサイトの構築は柔軟に行うことが可能で、セキュリティ対策も万全にされております。また、すでにECサイトに必要な機能が搭載されているため、開発にかかる時間や費用を節約できる点も魅力の1つです。
パッケージ型のメリットは、ECに必要な機能がすでに搭載されており、個別でも開発した機能を追加できることが挙げられますが、その分費用がASP型よりも高くなることがデメリットとして挙げられます。
フルスクラッチ型
フルスクラッチ型とは、一からECカートシステムを開発する手法です。真っ白な状態から自社好みに開発を行うので、ECサイトの制作、マーケティングから商品登録、受発注業務、アフターサポートまでこだわりをもってECサイトを構築したい企業に向いています。
ただし一から開発するため、開発コストや時間は非常にかかります。どういった機能にするかといった要件定義をしっかり行う必要があり、開発業者だけでなく、発注者側にもECサイトに関するそれなりの知識が求められることがデメリットとして挙げられます。
オープンソース型
オープンソース型とは、ECサイト構築システムの心臓部である、ソースコードが公開されているECカートシステムです。多くのオープンソースECカートは無料で利用できます。
ソースコードが公開されているということは、機能を拡張するためのプラグインシステムの開発が可能ということです。そのため、世界中の開発者がオープンソース型向けのプラグインを開発しており、無料から有料まで数多くのプラグインが利用できることがメリットとして挙げられますが、プラグインの利用には、ある程度システムに関する知識が必要です。
また、ソースコードが公開されているためセキュリティは弱く、利用する際には別途セキュリティ対策が必要となります。
ECサイト構築システム別の費用目安
ここまでECカートの種類について説明してきましたが、構築費がそれぞれどのくらいかかるのか気になるでしょう。下記の表にECサイト構築システム別の構築費の目安をまとめました。
初期構築費用 | 月額費用 | 制作期間 | |
ASP型 | 0~10万円 | 0~10万円 | 1~3か月 |
オープンソース型 | 10~30万円 | 10万円~ | 3か月 |
パッケージ型 | 100~数千万円 | 10〜 数十万円 | 6か月~1年以上 |
フルスクラッチ型 | 数千万円~ | 数十万円~ | 1年~数年 |
最も低コストで構築できるのがASP型で、最もコストがかかるのがフルスクラッチ型ということがわかります。ただし、コストだけでECサイト構築システムを選ぶのは危険です。以下の章でECカートシステムの選び方を説明します。
ECカートシステムの選び方
ECカートシステムを選ぶ際に最も重要なのは、自社の規模にあったシステムであるか否かです。ECカートシステム別のECサイトの規模は下記の表をご参照ください。
ECサイト構築システム | ECサイトの規模 |
ASP型 | 個人~5億 |
オープンソース型 | 1億~10億 |
パッケージ型 | 1億~数百億 |
フルスクラッチ型 | 30億~数百億 |
ここで気を付けたいのは、バックエンド業務の負荷についてです。例えば、ASP型での売り上げ5億円と、パッケージ型での5億円では普段の受発注業務の業務負荷に大きな差が出ます。ASP型はカスタマイズができないため、業務効率化のためのシステム変更も行えません。他方、パッケージ型では柔軟にカスタマイズが可能なため、受注量に合わせた処理システムを搭載できます。
また、ECカートシステムを選ぶ際には、総合通販とするのかリピート通販とするのかも重要です。特にリピート通販は、対応する機能がないと人が処理することになり、重大なミスに繋がる可能性があります。
ECサイトの規模や販売手法に適していないカートシステムを選ぶと、すぐにシステム変更が必要となる事態も考えられるので、ECカートシステムの選定は慎重に行いましょう。
小規模ECサイト構築向けのおすすめECカートを比較
小規模ECサイト構築におすすめのECカート3社を紹介します。
- 無料ではじめられる「BASE」
- 実店舗があるなら「STORES」
- 初期・月額無料で始めるなら「カラーミーショップ」
どういった特徴があるのか見ていきましょう。
無料ではじめられる「BASE」
ショップ開設数2,000,000店という実績があるのが、BASEです。初期費用0円からはじめられるため、ECサイトスタート時のリスクが抑えられます。サイト構築は、デザインをテンプレートから選び、必要事項を入力するだけ。最短30分で販売開始可能です。決済方法も種類豊富で、決済会社による審査待ちもありません。
商品説明文をAIが作成してくれる機能などもあり、ECサイトオーナー1人で運営する場合も作業に時間をかけずにできるでしょう。
実店舗があるなら「STORES」
実店舗をすでにお持ちであれば、STORESがおすすめです。STORESには、ECサイトと実店舗のデータを一元管理できるPOSレジ機能や、店舗でも利用できるキャッシュレス決済機能があります。簡単でシンプルな操作性で、システムに苦手意識をもつ方でも楽に作業が行えるでしょう。
予約システムや定期販売機能もあり、幅広い販売手法に対応しているのも特徴です。
サポート力で選ぶなら「カラーミーショップ」
カラーミーショップは、月額4,950円から始められるECカートシステムです。デザインテンプレートは80種類以上と豊富で、HTMLやCSSを使ったデザインのカスタマイズも行えます。カート機能の拡張も「カラーミーショップ アプリストア」から必要な機能を選んで追加でき、複数店舗の運営や海外販売にも対応可能です。
BASEやSTORESと大きく異なるのは、電話やメールによるサポートが受けられることです。ECサイト構築に不安がある方にとっては重要なポイントと言えます。
中~大規模ECサイト構築向けのおすすめECカートを比較
中〜大規模ECサイト構築でおすすめのECカートシステムは次の3つです。
- 通販マーケッターEight!
- ecbeing
- ebisumart
どういった特徴があるのか詳しく見ていきましょう。
広告に力を入れたいなら「通販マーケッターEight!」
通販マーケッターEight!は、東通メディアが開発したパッケージ型ECカートシステムです。東通メディアはもともと通販業界に強みをもつ広告代理店であるため、広告戦略はもとより、通販企業さまとの取引で培った通販のノウハウを持っています。そのため、オンラインオフライン双方の広告分析機能や、新規獲得やリピートにつながる施策管理機能が充実しているのが特徴です。
さらに、コールセンターなどの現場の声を活かし、管理画面を使いやすいデザインにするなど、まさに通販を知り尽くした企業だからできるパッケージ型システムと言えるでしょう。サポート体制も手厚く、メールや電話による問い合わせだけでなく、専属のエンジニアが対応するなど、やりたいことが実現できる環境が整っています。
BtoB販売用のパッケージもある「ecbeing」
開発体制500名以上を誇るのがecbeingです。1982年にパソコンショップとして創業した同社は、自社でECを開始し、そのノウハウを活かしてパッケージ型ECシステムを開発しました。開発・運用と豊富な人員体制で顧客をサポートしています。
特徴的なのは、BtoB向けのパッケージがあることです。BtoBはBtoCと異なり、各取引企業ごとに異なったやり取りや契約があります。そのため通常のECカートシステムでは対応できないことが多いのですが、ecbeingではBtoBに特化したシステムを開発しており、BtoBに必要な機能を揃えています。さらに、パッケージ型であるためカスタマイズも柔軟に行え、自社に合わせたECカートにすることが可能です。
大幅なカスタマイズ前提なら「ebisumart」
機能の追加やカスタマイズを前提としているなら、ebisumartがおすすめです。ebisumartはクラウドECとよばれる新しいタイプのECカートシステムで、パッケージ型とASP型の折衷型と言えます。ASP型のようにシステム更新を自動でアップデートできる点と、パッケージ型のように柔軟なカスタマイズができる点が特徴です。
また、ebisumartで過去に実装されてきた機能が標準機能やオプション機能として利用可能になっていくため、新たな開発を行わずに必要な機能を追加することもできます。ただし、機能の追加やカスタマイズはオプションとして費用がかかります。決して低い金額ではないので、自社に必要な機能がどのくらい標準でカバーできるかを確認しておくといいでしょう。
ECサイト構築の規模別での手順
実際にどのような手順でECサイトを構築していくのか、小規模ECサイト向けと、中〜大規模向けに分けて説明します。自社の規模に合った手順を参考にしてください。
小規模ECサイトの構築手順
小規模ECサイトでのサイト構築手順は6つです。
- 1ドメインを取得する
- 2カートを選定する
- 3サイトデザインを決定する
- 4商品を登録する
- 5配送業者と契約する
- 6テスト購入を実施する
小規模ECサイトではできるだけ導入コストを抑える必要があるので、自社で対応することが基本となります。以下で紹介する手順はスムーズにECサイトを構築するための手順ですので、参考にしてください。
1ドメインを取得する
ECサイトを新規に構築する場合、まずはお店のURLとなるドメインを取得しましょう。ドメインとは、https://×××.comの×××.comにあたる部分です。.comの部分はさまざまな文字列の中から選ぶことができます。
ASPカートを利用する場合、自動で割り振られるドメインも利用できますが、ドメインはいわばお店の看板でもありますので、できれば独自のドメインを取得することをおすすめします。ドメインはレンタルサーバー会社のサイトなどで取得可能です。
2カートを選定する
小規模ECサイトにおすすめのECカートはASP型です。ASP型は無料で始められるサービスがあり、決済機能もすぐに利用できるので小さく始めたい場合に向いています。先に紹介したように、ASP型でも各社特徴や強みとしている部分が異なりますので、自社に合ったカートを選ぶことが大切です。
まずは使いやすさを確認するため、複数のサービスに登録して試してみるのもいいでしょう。また、そのASPカートを利用しているECで実際に買い物をしてみて、顧客としての使いやすさやデザインを参考にすることも重要です。さらに、毎日の作業となる受注処理のやり方や、管理画面の使いやすさは必ず確かめてください。
3サイトデザインを決定する
ECカートが選定できたら、ECサイトのデザインを決めましょう。ASPカートであればデザインのテンプレートがありますので、そのテンプレートから自社のイメージにあったものを選びます。テンプレートではなく、デザインにこだわりたい場合は、ASPカート側がデザインのカスタマイズが可能であれば、Webデザイナーにデザインを依頼するのも一案です。
4商品を登録する
ECサイトのデザインがまとまったら、ECサイトに商品を登録します。ECサイトでは、購入前に実際に手にとって商品を見ることができません。そのため、画像がとても重要になるので商品撮影はしっかり行いましょう。
また、商品そのものの画像と一緒に、商品を使っている様子や食べている表情などを掲載すると、購入後のイメージができて購入しやすくなります。また、商品説明文も大切です。ASPカートによってはAIが文章を作成する機能もあるので、文章作成が苦手な方はそうしたサービスを使うのもいいでしょう。
5配送業者と契約する
ECサイトで商品を発送するには、配送業者との契約が必要です。ASPカートによって対応できる配送業者が異なるため、カートで利用できるかどうかも合わせて選定しなければなりません。配送業者とカートが連携できれば、配送伝票を自動で出力できるなど、運用の効率化にもなります。
6テスト購入を実施する
サイトデザイン、商品登録、配送設定などが完了したら、テスト購入を実施します。顧客視点にたって商品は見やすいか、説明文はわかりやすいか、配送料やお届け日の案内はあるか、決済は問題ないかなどをチェックし、改善点があれば修正しましょう。複数の人にテストしてもらうと、問題点を見つけやすくなります。
中~大規模ECサイトの構築手順
中〜大規模ECサイトの構築手順は次の5つです。
- 1ECサイトのコンセプトや売上目標を設定する
- 2ECサイト構築会社の選定する
- 3必要な機能の要件を決定する
- 4設計・開発・デザインを行う
- 5テスト運用・トレーニングの実施
中規模以上のサイトでは自社で行うことよりも、外部業者と協力して構築することがメインとなります。それぞれの手順について見ていきましょう。
1. ECサイトのコンセプトや売上目標を設定する
中規模以上のECサイトでは、ECサイトのコンセプトが非常に重要となります。コンセプトとは、誰に何をどのように売るのかというECサイトの指針です。指針がないままECサイトを構築すると、デザインがなかなか決められなかったり、目標売上が定まらなかったりと構築前から問題が生じます。中規模以上のECサイト構築は関わる人の数も多いため、スムーズなサイト構築のためにもECサイトのコンセプトはしっかり固めておきましょう。
2. ECサイト構築会社の選定する
ECサイトのコンセプトが決まったら、ECサイト構築会社を選定します。中規模以上のECサイトの場合、必要となる機能や連携が必要なシステムが企業によって異なるため、柔軟なカスタマイズや機能開発ができるECパッケージ型がおすすめです。カスタマイズや機能開発に強いといえば、フルスクラッチ型も同様ですが、フルスクラッチ型の場合は一から構築していくため、時間も費用もかかります。ECに必要な機能がすでに搭載されていて、それをさらにカスタマイズできるECパッケージ型であれば開発期間も費用も抑えられるでしょう。
3. 必要な機能の要件を決定する
ECパッケージ型で機能をカスタマイズしたり開発したりする場合、どういった機能が必要かその要件を決めなければなりません。EC事業者側と構築事業者の認識に齟齬がないように、それぞれの考えをすり合わせる作業でもあります。中には、カスタマイズが必要だとEC事業者が思っていたことも、ECパッケージに搭載済みの機能で対応できることもあるため、何を実現したいのかをはっきりさせておくといいでしょう。
4. 設計・開発・デザインを行う
ECカートに必要な機能がわかったら、要件定義に基づいて設計・開発・デザインに移ります。外部事業者中心で進むことになりますが、スケジュールの管理や途中経過について報告をもらうなど、任せっきりにならないようにしましょう。
5. テスト運用・トレーニングの実施
ECサイトが構築できたら、運用のテストを行います。特に中規模以上のECサイトでは運用者が複数名となるため、全員がオペレーションを理解しなければなりません。管理画面の操作や、各種処理の方法など運用担当者のトレーニングを行い、オープン後の混乱を最小限にできるよう準備を行います。担当者がわからないときに立ち戻れるよう、マニュアル類も整備しておきましょう。
ECサイト構築でよくある失敗5選
ECサイト構築で起きがちな失敗事例を5つ紹介します。
- 凝ったデザインにする
- 初期費用削減ばかりに注力する
- ECサイト構築を事業者に丸投げする
- 事業規模・目標に合っていないECカートを選ぶ
- 紹介という理由で他のECカートと比較せずに導入してしまう
何が失敗の問題なのか1つずつ見ていきます。
凝ったデザインにする
ECサイト初心者に起きがちなのが、凝ったデザインにすることです。他社との差別化を意識して凝ったデザインにしたけれど、まったく売上が伸びないというケースは多くあります。ECサイトで重要なのは、見た目の派手さではなく、使いやすさです。お客さまはサイトのデザインを見に来たのではなく、買い物をしに来ているため、まずはどういった商品があるのか見やすくなければなりません。
さらに、ページを移動したときの表示速度や画像の拡大ができるかなど、商品選びをスムーズに快適に行えることも大切です。あくまでも、商品を売るためのサイトであることを忘れずにデザインを行いましょう。
初期費用削減ばかりに注力する
初期費用ばかりに気をとられ、オープンしてから必要な機能がないことや、事務作業が煩雑でミスを誘発する状態であると気が付くケースもあります。もちろん、ECサイトを初めて運営する場合、何が必要かわからないことも多く、オープン後に修正しながら進めていくことも大切です。
しかし、始めから必要とわかっていながら、初期費用の削減のためにあとからの導入を予定するのはおすすめできません。受注処理ミスなどによってお客さまに迷惑をかける恐れもありますし、初めて訪れたお客さまが使いにくいと感じてしまえば、次回は来ないかもしれないからです。初期費用を抑えても結果として費用がかさむことになるのであれば、導入時にしっかりと機能を揃えておくほうがいいでしょう。
ECサイト構築を事業者に丸投げする
ECサイト構築は業者にお任せすれば大丈夫、と思っている方は少なくありません。確かに、経験豊富なECサイト構築業者はさまざまなノウハウを持っているので、お任せでも構築することは可能です。しかし、ECサイト構築業者は社内の業務フローを把握していないため、構築後に使いにくいことがわかったり、最悪は使えないシステムとなってしまったりします。
特に、中規模以上のECサイトを構築する際には、EC事業者側にもプロジェクトを管理する担当者をおき、実際の業務フローに適しているか確認を行いながら進めるといいでしょう。
事業規模・目標に合っていないECカートを選ぶ
ECサイトの規模や目標とする売上に合っていないECカートを選んでしまうケースもよくあります。ECサイトは使用するECカートによって、売上の到達ラインや毎月の受注対応数の最大値がある程度決まります。例えば、瞬間アクセス数が1万PVあるECサイトの場合、無料ASPなどではアクセス数に耐えきれずサイトが表示されなくなってしまうのです。これでは機会損失となってしまうため、事業規模や毎月の出荷件数などを考慮して規模に合ったECカートを選ぶ必要があります。
紹介という理由で他のECカートと比較せずに導入してしまう
知人から紹介されたからという理由で、他のカートシステムと比較せずにすぐに導入してしまうケースも少なくありません。自社に最適なECカートは、ECサイトの事業規模やビジネスモデル、EC担当者数などで異なってきます。
例えば、定期通販を行う場合は、定期購入数や継続率をあげられる機能が多数搭載されたECシステムを選ぶべきです。また、EC担当者が1〜2人なのであれば業務効率化が図れる機能が搭載されたシステムを選ぶことも重要でしょう。このように最適なECカートは各企業によって異なるため、知人から紹介されたとしても、他システムとの相見積もりや比較をするなど、リスクヘッジを図っておくことをおすすめします。
実力のあるECサイト構築会社の特徴
ここでは、実力があるECサイト構築会社の特徴を紹介します。特徴は主に4つです。
- システムを自社開発している
- 開発担当者が社内にいる
- 打ち合わせにSEが同行している
- 会社自体の評判が悪くない
中規模以上のECサイト構築では、ECサイト構築会社の選定も重要となってきますので、この4つのポイントを参考にしてください。
システムを自社開発している
ECカートシステムを自社開発している企業であれば、システムについてよく知っており、製品開発からカスタマイズまで一貫してスムーズに対応できます。さらに、自社開発できる体制があるということは、何か問題が生じた際にも迅速に対応してもらえるでしょう。
開発担当者が社内にいる
システムエンジニアが社内にいるかどうかもポイントです。システム会社の中には、外部のエンジニアを採用しているケースもあります。社内にエンジニアがいれば、担当者とEC事業者とのやりとりを共有しやすく、EC事業者の意図も伝わりやすくなります。
打ち合わせにSEが同行している
EC事業者との打ち合わせにSEが同行している構築会社は、実力がある会社といえます。特に、実際にサイト設計・構築に入る前の要件定義の段階では重要です。SEが打ち合わせに入ることで、よりEC事業者の意図が伝わりやすくなり、要件定義がしっかりと行えます。
会社自体の評判が悪くない
EC構築会社に限った話ではありませんが、取引先の評判も大切です。よくない評判が目立つ会社の場合、契約後の対応やサービスの品質が一定に保たれるのか心配になるでしょう。ECカートは継続的に改修や更新が必要になるため、長く付き合える企業かどうかも見極めたいところです。
おすすめのECサイト構築システムは通販マーケッターEight!
ECサイト構築について、構築方法や手順、費用、おすすめの制作会社を解説しました。ECサイトを構築するには、ECサイト構築システムの利用が最適です。どのシステムを使うかは、ECサイトの規模によって異なります。
中規模以上のECサイトを構築するのであれば、通販マーケッターEihgt!がおすすめです。通販マーケッターEihgt!は多数の導入支援をしており、業界最多水準の機能を搭載し、バックエンド機能も使う人のことを考えて開発されています。
開発元である東通メディアは、通販業界に強い広告代理店であるため、通販マーケッターEihgt!の広告分析機能は充実しています。これまで担当者の経験に頼らざるを得なかったオフライン広告も、データを基に効率的な運用が可能です。
さらに、通販マーケッターEihgt!は定期通販も得意としており、顧客の継続率を高める機能など、最新のトレンドを押さえた機能を多数搭載。顧客のステータスに合わせた同梱物を設定できるなど、リピート通販を成功に導きます。
機能もサポートも充実している通販マーケッターEihgt!は、これからECサイトを始める企業やさらなるEC事業拡大を目指す企業におすすめです。