新規事業のEC担当に任命された方や、これからEC事業を始めようという方は、ECサイト制作をどのように進めていくかわからないことが多いでしょう。
そこで、この記事ではECサイト制作の手順、制作前に必要な準備、ECカートの選定方法、制作費の目安、おすすめの制作会社など網羅的に解説します。
ECサイト制作では、ECサイトの規模によって選ぶべきECカートや制作会社が異なりますので、規模別のおすすめカートや制作会社を選定しました。小規模ECはASP型、中規模以上はパッケージ型ECカートがおすすめです。ASPやパッケージが何のことがわからない方も、記事を読んだあとは十分理解できますのでご安心ください。
では、早速記事を読んでECサイト制作に取り組みましょう。
ECサイト制作の手順は8ステップ
ECサイトを制作するステップには、大きく分けて次の8項目があります。
- ECサイトのコンセプトを決める
- ECサイトに必要な機能を洗い出す
- ECプラットフォームを選定する
- 決済・配送方法を決める
- ECサイトのデザインを検討する
- ECサイトに必要な初期設定を行う
- テスト注文を行う
- ECサイトのオープン
一つずつみていきましょう。
①ECサイトのコンセプトを決める
ECサイトを制作する際には、はじめにECサイトのコンセプトを決めます。コンセプトとは「誰に、何を、どのようにして販売するのか」ということです。
コンセプトはECサイトのいわば土台になる概念なので、競合他社の調査やターゲットとなる顧客層の調査を行い明確にします。すでに実店舗を運営している場合には、実店舗とECサイトを同じコンセプトにするかどうかを検討することも大切です。
コンセプトがしっかりと決まることで、ECサイトの設計やデザイン時に迷いが生じることも少なくなります。
②ECサイトに必要な機能を洗い出す
「誰に、何を、どのように販売するか」を決めた後は、ECサイトで必要となる機能を洗い出します。商品点数が多ければ商品の検索機能を、ギフト受注が高い商品はプレゼント放送の選択機能を、会員制にするのであればマイページ機能なども必要です。
こうしたお客さまの使い勝手を考えた、いわば接客のための機能のほかにも、集客や販促のための機能の検討も忘れてはいけません。集客や販促に使える機能としては、クーポン、メルマガ配信、ブログ、会員別割引、SNSとの連携、WEB広告との連携などの機能があります。
制作するECサイトでどういった集客や販促を行うかまで、可能性レベルで検討することがおすすめです。
③ECプラットフォームを選定する
次に、ECサイトを出店するプラットフォームを決めます。ECサイトの出店場所は大きく分けると2つあり、楽天市場のようなECモールと自社サイトです。
ECモールも数社あるため、販売する商材や顧客層によってどこのモールに出店するか検討が必要になります。
他方、自社サイトのプラットフォームには次の4種類があります。
- ASP型(無料・有料)
- パッケージ型
- フルスクラッチ型
- オープンソース型
ECサイトの規模や予算、制作にかけられる時間などによってどのECプラットフォームが最適かはそれぞれ異なるため、自社にあったものを選びましょう。
ECカートの選び方については別記事「ecカートを目的別で14社徹底比較!基本機能や種類やポイントも紹介」もご参照ください。
④決済・配送方法を決める
ECサイト運営に欠かせないのは、決済と配送方法の設定です。特に決済方法はコンバージョン率(購入率)に大きく影響することもあります。
ある調査では、ECサイト利用者の6割以上が、希望する決済手段が無かった場合はそのサイトでの購入を見合わせていることがわかりました。
引用元:(6割以上が希望する決済手段がない場合、ECサイトを離脱【JACCS調査】)
必要となる決済方法は顧客の年齢層や性別によっても異なりますので、事前に調査を行い決定しましょう。
配送方法の選定においては、コストはもちろんですが、配送業者の信頼性も大切です。コストを抑えられても、荷物の取り扱いが悪ければ元も子もありません。時間指定の有無や、小物類の配送に使える郵便受けへの投函サービスといった配送サービスの種類などもチェックして選定しましょう。
また、配送システムとECカートシステムが連携できるか否かも重要です。カートシステムと連携できれば複数のシステムを行き来せずに処理ができるため、運用効率も上がります。
配送方法を選定する際には、配送サービスと運用システム両面での検討が必要です。
⑤ECサイトのデザインを検討する
ここからはECサイトの表側の設定、デザインの検討に入ります。すでにコンセプトは決定しているので、コンセプトに合わせてサイトのカラーやフォント、画像などを決めます。
WEBデザイナーに依頼する際には、事前にイメージに近いサイトをいくつかピックアップしておくとスムーズに進められるでしょう。
注意したいのは、見た目の良さ=売れるサイトではないということです。ECサイトにおいては、最新技術を用いた最先端のデザインよりも、商品がよくわかり欲しいものが見つかるサイトが、デザインがいいサイトということになります。
また、画像や動画を多くしたい場合、サイトの表示速度にも注意が必要です。サイトを開いたときになかなか表示されないと、離脱の確率が高まります。サイトの表示速度はSEOにも影響しますので、デザイン検討時には念頭に入れておくことをおすすめします。
⑥ECサイトに必要な初期設定を行う
デザインが決定した後は、ECサイトの設定を行います。ECサイトを運営するには、特定商取引法に基づく表記を行わなければなりません。ECカートによっては入力項目が用意されていますので、フォームに沿って入力します。その他、商品情報の登録や配送方法、利用上の注意など、運営に必要な項目を設定しましょう。
商品説明では、広告表記として使用できない文言が使われていないかどうか注意が必要です。例えば、化粧品は薬機法で効能・効果など誇大表現を行うことが禁止されています。うっかり使用してしまうことがないように注意しましょう。
⑦テスト注文を行う
ECサイト構築が終われば、テスト注文を行います。顧客になったつもりで商品選びから決済までを行い、運営側も配送処理などを実際のフローで確認しましょう。構築担当者以外の第三者にテスト購入してもらうと、より問題点を見つけやすくなります。
決済については、決済代行会社によってテスト注文用の機能が用意されている場合があるので、そうした機能を利用することも可能です。
⑧ECサイトのオープン
テスト注文で問題がなければ、いよいよオープンです。
ECサイトはオープンしたからと言って、すぐにお客さまが来てくれるとは限りません。実店舗であれば工事中の段階から近隣の方に認知されやすいですが、ECサイトでは開店準備をしていることなど誰も知りません。
すでに実店舗がある場合には、事前にECサイトがオープンすることの告知や、オープン記念イベントの実施などで、ECサイトがあることをPRする必要があります。
ECモールに出店した場合でも、数あるモール内の店舗に埋もれてしまうため、広告を利用しましょう。自社サイトの場合は、リスティング広告やバナー広告などが効果的です。
ECサイト制作前に準備することを紹介
ECサイトの制作を行う前に準備しておくべきことを紹介します。制作会社とのやり取りをスムーズに行うためにも、以下の内容を検討しておきましょう。
- 制作するページ数
- 掲載する商品画像
- トップページや商品ページのレイアウトのイメージ
- レンタルサーバーや独自ドメイン、独自SSLの用意
- 決済ページ作成に必要な情報
制作するページ数
制作するページ数は、ECサイト制作の見積りを行う際に必要になります。制作するページ数が多ければ制作工数が増え、費用もかかるためです。
ECサイトで必要となる主なページはトップページと商品ページがありますが、その他商品一覧ページや買い物ガイド、よくある質問といったページも必要でしょう。また、法律で表記しなければならない項目があるため、それらを掲示するページも必要です。
同業他社のサイトを参考にしながら、必要となるページ数を洗い出しておきましょう。
掲載する商品画像
ECサイト制作にあたっては、掲載する商品画像の用意が必要です。制作時に制作会社から提供を求められます。
メーカー商品を販売する場合は、メーカー側から画像提供を受けられることもあるので確認して下さい。自社商品の場合は商品画像の撮影を行います。
アパレルなどの物販系では商品画像が非常に重要になるので、自社にノウハウがない場合はプロのカメラマンに写真撮影を依頼することをおすすめします。食品系では食べている様子や、調理イメージなどがあると購入率が高まるでしょう。
トップページや商品ページのレイアウトのイメージ
ECサイトのデザインイメージを決定しておきます。ECサイトのコンセプトに合わせてメインカラーやサブカラー、文章のスタイルといったデザインの一貫性を社内で検討しておくとスムーズです。
制作会社に提案をもらうこともできますが、ある程度イメージを決めて共有しておくことで想定と大きく異なるといったトラブルを防げます。その際、イメージに近い他社サイトやデザインをいくつか用意しておくと、わかりやすく伝わります。
レンタルサーバーや独自ドメイン、独自SSLの用意
自社ECサイトを公開するためには、サーバーや独自ドメイン、独自SSLが必要です。
サーバーはレンタルサーバーを提供する会社がいくつかありますので、サイトの規模などを考慮して選定しましょう。ECサイトのアドレスとなる独自ドメインは、レンタルサーバー会社で提供している場合もあります。
独自SSLとはセキュリティ対策の一つです。WEB上でのやり取りを暗号化して外部に読み取られないようにします。この対策を行わないと、個人情報の漏洩といったリスクが高まりますので、ECサイトや自社の信用のためにも設定しましょう。
決済ページ作成に必要な情報
注文者の情報やお届け先の情報といった、入力項目を決めておきましょう。主な項目としては、氏名・住所・生年月日(注文者)などがあります。
お中元やお歳暮といった贈答需要が高い商品の場合は、お届け先情報の保存機能があるとリピート利用につながるかもしれません。
また、顧客の誕生日月に付与する「バースデークーポン」は比較的使用率は高いため、誕生日月を取得することをおすすめします。
ECサイトに必要なカートシステムの種類
ECサイトに必要なカートシステムには主に以下4つの種類があります。
- ASP型(無料・有料)
- パッケージ型
- フルスクラッチ型
- オープンソース型
ASP型とは、クラウド上にあるプラットフォームにログインし、カートシステムを利用するタイプです。機能やデザインは決まった型があり、基本的にカスタマイズはできません。その代わり、月額利用料0円から数万円ほどで利用できます。
パッケージ型とは、ECサイトに必要な機能がパッケージ化されているシステムです。ECサイトに必要な機能が網羅されていて、なおかつカスタマイズ性が高いのが特徴です。
フルスクラッチ型とは、自社独自のECカートシステムを一から開発する方法です。自社商品やサービスに合わせたシステムを作れる一方、開発期間が長期になることや開発費用が高額になることが課題になります。
オープンソース型とは、ECカートのシステムソースが公開されており、誰でも無料で利用できるタイプです。システムソースが公開されているので、セキュリティ面の強化が必要になります。
ECサイト規模別の制作方法
ここではECサイトの規模別に、おすすめのECカートについてお伝えします。
- 個人や小規模ECサイトなら無料ASPカート
- 年商1億円未満の中規模ECサイトなら有料ASPカート
- 年商1億円以上の大規模ECサイトならECパッケージ
小規模向け・中規模向け・大規模向けに分けていますので、どちらにあたるかわからないときには両方で検討してください。
個人や小規模ECサイトなら無料ASPカート
年商数百万円ほどのECサイトを目指すなら、無料ASPカートがおすすめです。無料ASPカートのメリットは3つあります。
- 初期費用や月額利用料がかからない
- デザインテンプレートが豊富なので、制作会社に依頼せずともECサイトが作れる
- 豊富な決済手段を審査なしですぐに使える
一方、デメリットとしては次の3点があります。
- ASPによっては決済手数料が割高になっている
- カスタマイズできない
- サポート体制が充実していない
無料ASPカートは固定費がかからないため、とりあえずECサイトをオープンさせたいといった場合に有効です。
年商1億円未満の中規模ECサイトなら有料ASPカート
年商1億円規模を目指すなら、有料ASPカートがいいでしょう。有料ASPカートのメリットは次のとおりです。
- メルマガやポイント機能など、販促に使える機能が充実している
- デザインテンプレートの選択肢が多く、カスタマイズも可能
- ECサイト運営に関するセミナーや運営サポートなどが充実
このほか、決済手数料も無料ASPカートに比べて低く設定されている場合があります。
有料ASPカートのデメリットは次の2点です。
- 機能の追加ができない
- ECサイト分析に必要な外部システムとの連携に弱い
ASPカートはシステムの個別カスタマイズができないため、機能に関する要望は出せても必ず実装されるとは限りません。ECサイトの規模が大きくなった際、必要な機能を開発・追加できないため、その点も考慮したカート選びが必要です。
年商数億円以上の大規模ECサイトならECパッケージ
年商数億円以上を見込んでいるなら、ECパッケージがおすすめです。ECパッケージには下記3点のメリットがあります。
- デザインや機能についてカスタマイズ性が高い
- 基幹システムなどの外部システムとの連携ができる
- サポート体制が充実している
ECパッケージはカスタマイズ性が高いので、ECサイトの成長に合わせてシステムも柔軟に変更できます。ECサイトに必要な機能が最初から実装されている分、フルスクラッチ型よりもコストを抑えつつ独自のシステムに変えていけるのが魅力です。
他方、ECパッケージのデメリットとしては、ASP型に比べてコストがかかる点があります。また、ASP型は自動的にアップデートが行われますが、ECパッケージでは定期的に改修作業が必要です。
ECサイト制作会社の選び方
ECサイトの制作会社を選定する際には、次の点に注目しましょう。
- 制作会社で対応できる範囲
- ECサイト制作の実績
- 提案内容は自社の課題を理解したものか
- 担当者の対応や姿勢
制作会社で対応できる範囲
ECサイトの制作には、構築・設定・運用という3つの段階があります。ひと口に制作会社といっても、3つの段階全てに対応できる会社と、どれか一つのみを行う会社などさまざまです。
構築とは、ECサイトの表側を作る工程です。ECサイトのデザインがメインとなります。
設定は、EC業務に必要な決済や物流などのセッティング作業を指します。
運用は、ECサイトの集客支援や戦略立案を行う業務をいいます。
これら3つの段階のうち自社で依頼する範囲を明確にし、それに対応できる制作会社を選びましょう。
ECサイト制作の実績
制作会社の選定にあたり、ECサイトの制作実績がどのくらいあるのかは重要です。制作してきた累計数も参考になりますが、類似業種の制作があるか否かも重要なポイントになります。
新しい会社の場合実績が少ないこともありますので、代表者やエンジニアが経験してきた内容もヒアリングして考慮に入れるといいでしょう。
提案内容は自社の課題を理解したものか
制作会社から出された提案内容が、自社の課題を理解したものであるか否かをチェックします。
提案時に理解していないと、今後制作を進めていく際にも認識がズレていく可能性があるためです。
担当者の対応や姿勢
担当者とのコミュニケーションが円滑であることも重要です。今後やり取りをしていく窓口となる人ですので、少しでも違和感があると徐々にストレスが溜まっていってしまいます。
担当者の対応が合わないと感じるときには、早めに担当者変更の相談を行うことも大切です。
ASPカート利用時のおすすめECサイト制作会社
ASPカート利用時のおすすめEC制作会社を3社紹介します。
- STORES制作パートナー「NERD」
- BASEオフィシャルパートナー「NBCインターナショナル」
- カラーミーを得意とする「株式会社クライマワークス」
ASPカートを提供する会社では、制作会社とパートナーシップを結んでいるところが多くあります。
利用するASPカートが決まれば、提携する制作会社から選定するのも一つの方法です。提携先制作会社を利用することで、特別な割引などが適用されることもあります。
STORES制作パートナー「NERD」
参照元:NERD
STORESを利用するなら、制作パートナーである「NERD」がおすすめです。マーケティングに強みをもち、なかでもSEO対策を得意としています。
顧客の課題解決を主軸とし、WEB制作の提案から分析、施策実施まで幅広く対応可能です。ECサイト制作の実績もあり、信頼できる制作会社といえるでしょう。
BASEオフィシャルパートナー「NBCインターナショナル」
参照元:NBCインターナショナル
BASEオフィシャルパートナーの「NBCインターナショナル」は、BASEを利用したECサイトを多く手掛ける会社です。
BASEの仕様を熟知しているからこそ、コストを抑えて早期にECサイト構築ができます。初期費用が0円なのも嬉しいポイントです。構築と合わせて商品登録の代行も依頼できます。
カラーミーを得意とする「株式会社クライマワークス」
参照元:株式会社クライマワークス
カラーミーを得意とするのは、ブランディングから制作までワンストップで対応できる「株式会社クライマワークス」です。
自社で年商1億円規模のECサイトを運営しているため、売れるECサイトに関するノウハウを有しており、具体的な施策や提案が期待できます。モールサイト構築の実績もあり、モールと自社ECサイト両方を任せられます。
ECパッケージ利用時のおすすめECサイト制作会社
年商1億円以上のECサイトでは、パッケージ型ECカートを提供する下記の制作会社がおすすめです。
- 通販マーケッターEight!
- Commerce21
- EC-ORANGE
それぞれの特徴を紹介します。
通販マーケッターEight!
参照元:通販マーケッターEight!
通販マーケッターEight!は、サービスのローンチから15年以上ノウハウを蓄積してきたECパッケージです。業界でもトップクラスの機能数を搭載し、スタートアップ企業から年商500億円規模のECサイトまで対応できます。
通販マーケッターEight!はカスタマイズ性が高く、連携できるシステムも豊富です。受注処理などを行う基幹システムは外部ECサイトとも連携できるため、複数サイトがある場合も運営を統合できます。
また、通販マーケッターEight!の開発元は広告のプロである東通メディアであるため、ECサイトの広告や集客に強いというのも特徴です。
ECパッケージを検討するのであれば、総合通販から単品リピート通販まで幅広くカバーでき、ECサイトの成長や事業変化に柔軟に対応可能な通販マーケッターEight!が最適でしょう。
Commerce21
参照元:Commerce21
Commerce21は豊富な実績とカスタマイズ性の高さが魅力のサービスです。サポートには固定のメンバーが配属されるため、これからECサイトを立ちあげたいという企業には心強いでしょう。
Yahoo!ショッピングやAmazonなどのモールとの自動連携も可能で、複数モールの注文情報を一元管理できるシステムも魅力です。
EC-ORANGE
参照元:EC-ORANGE
EC-ORANGEを開発するエスキュービズムはITのみならず、家電メーカー事業、ネット通販事業などいずれも数十億円規模の事業を運営する会社です。そうした事業で蓄積したノウハウがパッケージに活かされています。
EC-ORANGEでは、パッケージの心臓部であるソースコードを開示しています。ソースコードがわかると、開発の内製化や他の業者による開発も可能です。将来的にECサイトの内製化を予定している場合はEC-ORANGEを検討するのもいいでしょう。
ECサイト制作カート別の費用相場
ECサイト制作の費用相場を、利用するカートシステム別に紹介します。ECサイト制作はデザインやページ数、商品点数、盛り込む機能などによって変わりますので、詳しい費用は制作会社に見積りを依頼してください。
費用相場 | 制作期間の目安 | |
無料ASPカート | 無料~10万円以下 | 1週間~1か月 |
有料ASPカート | 10万円~100万円以下 | 1か月~3か月 |
パッケージ型カート | 100万円~1千万円以上 | 6か月~1年以上 |
無料ASPカートの場合、デザインテンプレートを利用するため費用が低く抑えられます。場合によっては制作会社に依頼せず、自分で構築することも可能です。
一方有料ASPカートはデザインのカスタマイズが可能なので、カスタマイズを行うと費用が高くなります。
パッケージ型カートは、デザインと機能両面のカスタマイズが可能なため、カスタマイズの内容によって費用も制作期間も大幅に変わります。見積り依頼時には、制作会社としっかり打ち合わせを行うことが大切です。
ECサイト制作で気を付けるポイント
ECサイト制作で気を付けるべき、3つのポイントについて紹介します。
- マーケティング・集客方法の検討
- 管理画面の使いやすさ
- 法律への対応
それぞれについてみていきましょう。
マーケティング・集客方法の検討
ECサイトは、オープンしただけではなかなか売れません。すでに周知されている商品やブランドであれば商品名やブランド名で検索されますが、そうでない限りユーザーがECサイトに辿りつくことは少ないでしょう。
そこで必要になるのが、集客です。どういったマーケティング指標が必要で、どのような集客方法があるのかオープン前から検討しておくことが重要です。
その際、検索エンジンに表示されやすくなるSEO対策は必ず行いましょう。SEO対策がうまくいけば、広告費用をかけずに集客が可能となります。ただし、SEO対策は効果がでるまで時間がかかるため、並行して広告展開を行う必要があります。
広告に力を入れるのであれば、広告に強い制作会社を選ぶのもいいでしょう。
管理画面の使いやすさ
ECサイトでは、管理画面の使いやすさも重要になります。通常ECサイトの運営は小数で行われるため、効率的な運用が必要です。管理画面の使い勝手が悪いと、作業効率が落ちるだけでなく、ミスにつながる可能性もあります。
また、管理画面が直感的に操作できるものであれば、システムに明るくない人でも運用担当になることができ、人材を確保する際にも楽になるでしょう。
法律への対応
ECサイトの運営にはさまざまな法律やルールが関わってきます。主な法律は以下のとおりです。
- 薬機法
- 景品表示法
- 個人情報保護法
- 特定商取引法
これらに違反すると罰則が科されることもあるため、必要な法律や許認可は確認しておきましょう。
また、クレジットカードの取扱いにおいて、全てのEC加盟店は2025年3月末までに「EMV3-Dセキュア」を導入することが求められています。
引用元:(経済産業省「クレジットカード・セキュリティガイドライン【4.0版】が改訂されました」)
「EMV3-Dセキュア」の導入には、クレジットカード発行会社への申し込みや決済代行会社への申し込みが必要です。将来的には義務化も議論されているため、ECサイト制作時から検討しておくといいでしょう。
すでに2024年4月1日から義務化が決定しているのが、ウェブアクセシビリティへの対応です。ウェブアクセシビリティとは、障がいの有無や年齢に関わらず、全ての人がサービスを利用できる状態にあることを言います。
引用元:(政府広報オンライン「ウェブアクセシビリティとは? 分かりやすくゼロから解説!」)
ECサイトの制作にあたっては、ウェブアクセシビリティに配慮したデザインにしなければいけない点に注意が必要です。
まとめ ECサイトのコンセプトを明確にして制作会社を選ぼう
ECサイト制作の手順と、おすすめの制作会社などについて説明しました。
ECサイトの制作では、ECサイトのコンセプトが重要です。コンセプトがしっかりしていないと、デザインを何度もやり直したり、途中で機能の追加が発生したりして、制作期間が延びて費用が膨らんでしまいます。余計な費用をかけずに、できるだけ早期にECサイトをオープンできるよう、まずはコンセプトをしっかり固めましょう。
コンセプトが固まったら、次に行うのはECカートの選定です。ECサイトの売上規模に合わせたECカートを選びます。小規模なECサイトであれば、ASPカートの利用でコストを抑えて小さく始めることが可能です。
中規模以上のECサイトの場合は、ECサイトに必要な機能が搭載され、なおかつカスタマイズ性が高いECパッケージ型が向いています。ECパッケージを選ぶ際には、運用面まで頼れる制作会社かどうかも含めて検討しましょう。